基本的語句の使い分け

「この」「あの」「その」「これ」。感覚的にわかっているようで、使い分けに迷う場面も多いのが this, that, the, it です。ここでは、形容詞的用法、名詞的用法それぞれについてみていきます。

this, that, theの形容詞的用法

this と that は「指示詞」と呼ばれ、指している対象との距離感によって使い分けがなされます。心理的・距離的に近いものに「this」(=この)、遠いものに「that」(=あの)がつきます。this は「ここ」(=here)にある対象を指し、その範囲から外れる対象に that を使うと考えるとよいでしょう。

いっぽう、「定冠詞」と呼ばれる the は、対象となる名詞について前に述べられているか、話し手と聞き手の間に共通理解がある場合に使われ、距離感は関係しません。

  • This baggage is mine, that one is Risa's.(この荷物は私のもので、あそこにあるのはリサのものです。)
  • What is that blue object?(あの青い物体は何だ?)
  • Kouji found a kitten at his office. The kitten was sleeping well on his cair.(コウジはオフィスで子猫を見つけた。その子猫は彼の椅子の上でよく眠っていた。)

this, that, it の名詞的用法

this, that, it は、代名詞としての働きを持ちます。指示代名詞 this と that に付随する距離感は形容詞的用法と同様で、this は「これ」、that は「あれ」。

  • This is your supper.(これは君の夕食だよ。)
  • What is that ?(あれは何ですか?)

代名詞 it は距離感にかかわらず、最低限話し手の理解の及んでいる対象を表すことができます。

詳しくは、1.前に述べた情報2.時間や天気のようにわざわざ言わなくても聞き手とだいたい共有できている情報3.これから述べる情報(形式主語としての用法)です。

話し手が理解していない対象を it で表すことはできません。よって、例えばWhat is that ? の that を it に置き換えることはできません。

  • I have a cat and I love it very much.(私は猫を飼っていて、その猫をとても愛しているのです。)
  • Oh, It is getting dark. Let's go home.(おお、暗くなってきた。家に帰ろう。)
  • It is good for you that he will visit you tonight.(彼が今夜君を訪れるというのは君にとってよいことだよ。)
  • What is this ? It is my work.(これは何ですか? それは私の作品です。)

これは英語で何と言う?

9時までに家に帰らなくてはいけません。

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